トンネルの調査・内部欠陥探査 トンネルの調査は、目視調査のほかに、以下に示すような衝撃弾性波を利用した内部欠陥探査を行います。 シールドトンネルの損傷調査 シールドトンネルにおけるセグメントの施工時に、ジャッキの推力や隣り合うセグメントとの接触により、セグメントの鋭角部がひび割れや剥離など損傷することがあります。ひび割れが目視で確認できればひび割れ幅やひび割れ深さを測定し、また損傷範囲を限定できますが、目視で確認できない内部のひび割れや剥離が疑われる箇所は、50~100mm間隔でメッシュを罫書き、衝撃弾性波法で損傷範囲を推定します。セグメントの施工において、損傷が確認される箇所では、大きな目違いを生じていることが多いので、隣り合うセグメント間の段差を測定して、損傷の早期発見を行っています。 覆工背面の空洞調査 矢板工法で施工されたトンネルでは、覆工コンクリートの巻厚が不足している場合や、背面側に空洞が発生して土圧が均等に作用していないことがあります。そのような箇所では覆工に局所的な荷重が作用して崩壊したり、ひび割れが発生してコンクリートが剥落することが考えられます。電磁波レーダ法や衝撃弾性波法により覆工コンクリートの厚さを測定することにより、空洞が疑われる箇所を探し出し、ドリル削孔後、覆工厚と空洞深さを実測して、ファイバースコープ等で空洞の状態を観察します。 あと施工アンカーの緩み調査 トンネル内には、照明施設や換気用のジェットファン、配線用ケーブルラック等の附属物があと施工アンカーで施工されています。あと施工アンカーやナットは、時間の経過と共に通行車両の振動や覆工コンクリートの劣化により緩んでくることがあり、これを衝撃弾性波法や機械インピーダンス法を用いたボルトテスターにより点検します。 ロックボルトの長さ調査 NATM工法で施工されたトンネルは、鋼アーチ支保工にコンクリートを吹き付け、ロックボルトで固定しています。ごくまれに、外力や腐食によりロックボルトが切断することがあり、衝撃弾性波法によりロックボルトの長さを測定し、健全性を確認します。 参考画像 シールドトンネル セグメントの内部欠陥調査 セグメント間の段差測定 ロックボルトの長さ測定 <参考> 「道路トンネル定期点検要領」平成31年2月 国土交通省道路局 トンネルの調査のお問い合わせについて
トンネルの調査は、目視調査のほかに、以下に示すような衝撃弾性波を利用した内部欠陥探査を行います。