表面P波法は、漁港施設の老朽化について、その状態を把握しようとする場合に使用されています。
簡便にコンクリート構造物の強度、ひび割れ深さ、内部空隙の有無など損傷の状態を定量的に把握することができ、目視調査と表面P波法の調査結果から、港湾施設の劣化状況を把握して、補修・補強を計画し、または詳細調査の位置を決定します。
<参考>
「漁港施設における固有振動及び透過弾性波を用いた基礎部と提体内部欠陥の診断手法 適用マニュアル(案)」
令和 3 年 10 月 〔水産庁漁港漁場整備部〕
「漁港施設における表面P波法による簡易機能(老朽化)診断手法適用マニュアル(案)」
平成28年4月〔国立研究開発法人 水産研究・教育機構 水産工学研究所〕
漁港施設の強度測定
漁港施設の劣化状況調査
衝撃弾性波法は、ハンマー・鋼球など物理的な衝撃または励磁コイルなど磁気的な方法により弾性波を入力し、コンクリート中を伝播した弾性波を振動センサで受信します。 受信した振動波形から伝播速度・伝播時間・基本周波数・位相などを解析し、コンクリート強度の推定、部材厚さ、ひび割れ深さ、内部欠陥の有無などを評価することができます。 衝撃弾性波法は、測定が容易であり、入力する弾性波の波長が長く、エネルギーが大きいため減衰しにくく、複合材料であるコンクリートの非均質性に起因した弾性波の減衰・散乱の影響をさほど受けずに、比較的大きな構造物への適用が可能になります。
衝撃弾性波法には、iTECS法、表面2点法、インパクトエコー法、電磁パルス法などがあり、構造物の非破壊検査として活躍しています。
<参考>
日本非破壊検査協会規格「NDIS 2426-2コンクリートの非破壊試験-弾性波法-第2部:衝撃弾性波法」