「外部供試体」は「ボス供試体」とも呼ばれ、型枠に「ボス型枠」を取り付けることによりコンクリート打設時に供試体を採取でき、簡便かつ迅速に圧縮強度試験を行うことができます。
また、工程に支障がない場合には、「外部供試体」に替えて、「小径コア」による試験あるいは「非破壊試験」による強度測定が実施されることもあります。
ボス型枠
圧縮強度試験
以下に「iTECS法」のよる強度測定の概略を紹介します。
①検量線の作成
コンクリート打設時に円柱供試体を複数作成し、これら供試体の圧縮強度(例えば1週,2週,4週,8週)と、それらの材齢の弾性波速度の関係から強度推定式(検量線)を求めておきます。②弾性波速度の測定
弾性波速度測定状況iTECS法により、調査対象構造物の弾性波速度を測定します。③圧縮強度の推定
構造物で求めた弾性波速度と強度推定式(検量線)から圧縮強度を推定します。
その圧縮強度を28日材齢に換算し、合否の判定を行います。
表面を打撃する衝撃弾性波法(iTECS法、表面2点法)は一般的に20kHz以下の周波数成分を使用するのに対し、超音波法では20kHz以上の周波数帯域を使用します。圧電効果を使用した発信探触子の振動により弾性波を発生させ、受信探触子により受信します。発信と受信探触子の距離と伝達する時間差から弾性波速度を求め、強度換算式(検量線)から圧縮強度を推定します。超音波法は構造物に超音波を効率よく入力するために接触媒質が必要となります。
国土交通省の「微破壊・非破壊試験によるコンクリート構造物の強度測定要領」に準拠しています。
コンクリートテスターは、非破壊でコンクリートの圧縮強度を測定する装置で、ハンマーでコンクリートを打撃し、その時の打撃力波形から機械インピーダンスを測定、コンクリートの圧縮強度を推定します。
圧縮強度推定のほかに、コンクリート表面の比較的浅い位置における骨材剥離や内部欠陥の調査に利用されており、「漁港施設における機械インピーダンス法を用いたコンクリート強度推定運用マニュアル(案)」に記載され、維持管理等に使用されています。
圧縮強度推定のほかに、コンクリート表面の比較的浅い位置における骨材剥離や内部欠陥の調査に利用されており、「漁港施設における機械インピーダンス法を用いたコンクリート強度推定運用マニュアル(案)」に記載され、維持管理等に使用されています。
現在、既設のコンクリート構造物での維持管理には、コア採取による圧縮強度試験やコンクリート表面の反発度から強度を推定する方法などが主に採用されていますが、非破壊試験である衝撃弾性波法(iTECS法)により、既設構造物の圧縮強度の推定することができます。
圧縮強度を推定する一般式は、
fc=1.224×10-17×VP5.129 で表されます。
なお、既設構造物からコアを採取し、コアの弾性波速度と圧縮強度の関係が分かれば、より精度の良い強度推定が可能となります。
弾性波速度と圧縮強度の関係(※1)
(出典:NDIS 2426-2 コンクリートの非破壊試験-衝撃弾性波法 P71より)
コンクリート強度の特性値は、圧縮強度、引張強度、曲げ強度、せん断強度等があります。
コンクリート構造物は、一般に圧縮強度に基づいて設計され、また、コンクリート構造物の品質を管理していく上で、圧縮強度を把握する事は極めて重要です。
圧縮強度を調べる方法には、いくつか方法があります。