図出展:日本無線株式会社「ハンディサーチ NJJ-200」カタログより
電磁誘導法は、試験コイルに交流電流を流すことによってできる磁界内に、試験対象物を置くことによって試験を行います。導線を円形に巻いた試験コイルに交流電流を流すと磁束が発生します。かぶりが変化するとコイルを貫いている磁束が変化し、これをインピーダンスの変化として検出することにより、かぶりを測定します。また、起電力の強弱を感知して鉄筋位置を測定し、さらに磁束の振幅の変化を読み取ることにより鉄筋径を推測することができます。電磁誘導法は、かぶりが比較的浅い場所では非常に有効で、コンクリートの湿潤状態や品質等による影響を受けることなく鉄筋位置とかぶりの測定が同時にできますが、鉄筋間隔が狭い場合や、かぶりが深くなると近接する鉄筋の影響を受け誤差が大きくなる可能性があるので、一般にかぶり80mm以内の鉄筋の探査に使用します。
電磁波レーダの送信アンテナからインパルス状の電磁波をコンクリート内部へ放射すると、その電磁波はコンクリートと電気的性質(比誘電率・導電率)の異なる物体(鉄筋・埋設管・空洞等)との境界面で反射します。
その反射波を受信アンテナで受信し、それにかかる往復の伝播時間から反射物体までの距離を計算し位置(かぶり深さ)を求めます。
電磁波の伝播速度は比誘電率によって決定されるので、反射物体の位置を正確に求めるには比誘電率を適切に設定する必要があります。一般に電磁波レーダのアンテナは、周波数を高くすると分解能は上がるが探査深度は浅くなり、周波数を低くすると分解能は下がりますが、探査深度は深くなる特性があるので、構造物の部材厚に応じた機種の選定は重要です。